第1章

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―――暗い、暗い。真っ暗な空に、雲も無い。 ボォと赤く光る満月があたりを照らす 他人の紅がついたそれをなぎ払う。 下にはその紅に染まったモノが転がっている ―――――暗い。 辺りはは真っ暗だ。同じ黒に染まってしまった眼で月を見上げた。 かすかに眼が赤く染まる。 辺りを照らす光。覚えがあるような、ないような。 ・・・―――なんて、ね。 光を無くして生きてきた。 紅をなぎ払うたび、光も遠くへ捨てていた。 もう、求める事も、許されない。 持っていたそれを鞘にしまい、紅く染まった者達に背を向けた。
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