10人が本棚に入れています
本棚に追加
言いたい事だけ言って、
塔子は、電話を切ってしまった。
優しいんだか何だか分からない。
とりあえず嘘は、
ついてない……かな。
私、そんなに桐野に迷惑かけたんだ。
だから、あんなふうに。
その時、
手にしていた携帯がバイブで
メール着信を知らせた。
FROM: 桐野和也
沙樹、コーヒーサンキュ!
無理すんなよ。
桐野、優しいね。
優しさに飢えてる私は、
自制をかけていなければ、
ただ甘えてしまいそうだった。
そうだ、返信しなきゃ、
昨日のお詫び?いや、お礼?
……今日、信も一緒かな。
まさか昨日のこと、
信に、話したりないよねーーー。
はぁーっ・・・
私は、大きく息を吐き、
テーブルに突っ伏した。
信のこと
昨夜のこと
順不同に、
場面が駆け巡る
もう、いっぱいだ
はぁーっ……
私は腹の底から息を吐き出し、
続けて
大きく吸った勢いで、
立ち上がり
バスルームへと向かった。
まとわりつく感情を、
すべて洗い流してしまいたかった。
.
最初のコメントを投稿しよう!