友情

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『桐野!  お前が、ネズミの名づけ親か!』 カケルが、 後部席の桐野に話しを振った。 『………。』 『おい、桐野!  おーい!キリノ!!』 『え……?あ、何?』 『……聞いてないし。  最近、桐野、変じゃね?  熱でもあるんじゃねーの?』 カケルがそう言って、 桐野の額に手を当てようとすると 『ヤメろー!髪が乱れる~!』 と、カケルの手を払った。 『……ったく。  どいつもこいつも、  カッコばっかつけやがって…。』 『カケル~  まぁーそういうなって。  先週ラジオ局に、カケルが 笑顔でドラムを叩く姿が好きです!って  ハガキきてたよ。  見てる子はちゃーんと見てるから!』 車に乗ってから、 ずっとゲームをしていた良二が 顔をあげて、カケルに諭すように言った。 『リョーちゃ~ん!  …お前だけだよ  俺を分かってくれてんのは!!』 『…………。』 『……って、オイ!良二!  言いっぱなしかよっ!』 良二は、またすぐに ゲームに没頭していた。 『あーぁ。知らん!もう寝るっ!』 カケルは、シートに身を投げ、 キャップを目深に被った。 . 
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