10人が本棚に入れています
本棚に追加
『桐野!
お前が、ネズミの名づけ親か!』
カケルが、
後部席の桐野に話しを振った。
『………。』
『おい、桐野!
おーい!キリノ!!』
『え……?あ、何?』
『……聞いてないし。
最近、桐野、変じゃね?
熱でもあるんじゃねーの?』
カケルがそう言って、
桐野の額に手を当てようとすると
『ヤメろー!髪が乱れる~!』
と、カケルの手を払った。
『……ったく。
どいつもこいつも、
カッコばっかつけやがって…。』
『カケル~
まぁーそういうなって。
先週ラジオ局に、カケルが
笑顔でドラムを叩く姿が好きです!って
ハガキきてたよ。
見てる子はちゃーんと見てるから!』
車に乗ってから、
ずっとゲームをしていた良二が
顔をあげて、カケルに諭すように言った。
『リョーちゃ~ん!
…お前だけだよ
俺を分かってくれてんのは!!』
『…………。』
『……って、オイ!良二!
言いっぱなしかよっ!』
良二は、またすぐに
ゲームに没頭していた。
『あーぁ。知らん!もう寝るっ!』
カケルは、シートに身を投げ、
キャップを目深に被った。
.
最初のコメントを投稿しよう!