8人が本棚に入れています
本棚に追加
B(心の声)「……移りゆく季節、色づき始めた街並み……私はその中を歩く……私の傍らを、秋色の可愛らしい柴犬が駆け抜け、その後から、恐らく同年代であろう女子学生が、薄紅色の頬を私に見せつけるように、淡い芳香を残して通り過ぎた……穏やかで、どことなく艶っぽい、今この時……もうこれ以上、何もいらない……そんな気分を、幸福と呼んでもいいですか? 」
A「あ! 千円落ちてる!」
犬「ワン! 」
B「……」
A「牛若丸、これ交番に届けに行こっか」
犬(牛若丸)「ワン!ワン!」
B「あの、すみません」
A「はい? 」
B「……それ、僕が落としました」
A「……」
牛若丸「……ガゥ」
この日、全国各地で木枯らし一号が観測されたという……。
最初のコメントを投稿しよう!