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「来た道…覚えてるとこまで戻って、後は勘で行くしかねぇだろうな」
「そうだよね…」
相当、落ち込んでいた顔をしていたのだろう。
「悪いな…俺のせいで」
気まずそうに、まこちゃんは謝ってきた。
「良いよ、別に。 まこちゃんにはいつも振り回せれてるからね。慣れてるよ」
「…それもそうだな。 俺達、こっちから来たよな?」
「うん。 確か…だけど」
どれくらい、歩いただろう。
「なんか、どんどん山ん中入ってきてね?」
「それ、思った。 八木邸行くとき、一回も山通った覚えないよ」
どうやら、私達の勘は鈍かったようだ。
見たこともない風景。 人が通らないような獣道を歩いている。
「…戻るか?」
「そうだね…。 このままじゃ遭難しちゃうし…」
来た道を戻ろうとするけれど…
「……へ? う、うわぁっ!?」
「おい、陽夏ぁ!!」
何故か…何故か穴が空いていたようで、それに全く気付かなかった私は落っこちてしまう。
まこちゃんの声が聞こえたのを最後に、私の意識は途絶えてしまった。
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