修学旅行のハズだったのに…タイムスリップとかありですか!?

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そう言いたかった言葉は、出なかった。 何故かって? それは… 「何をしているんですか?」 冷たい声が聞こえたからだ。 「壬生狼(ミブロウ)だ!」 そんな声と共に、人々はスッと道を開ける。 そんな道を歩いてくるのは、とても整った顔をした美少…いや、美青年。 太陽に輝く茶色い髪がとても美しい。 思わず見惚れていると、 「逃げるぞ!!」 まこちゃんが後ろから、私の腕を引いてきた。 ハッと我に返った私は、まこちゃんに合わせ、走り出す。 「待ちなさい!」 後ろからそんな声が聞こえたけれど、構っている余裕はない。 何故逃げなければならないなんて分からない。 けれど、なんだか…後ろからチラチラ見えるまこちゃんの緊迫した表情と『逃げなければ』という本能が足を動かしたんだ。 いっぱい…いっぱい走って。 体力がそろそろ限界になってきた頃、まこちゃんが足を止めた。 そして、昔風の家の影に隠れる。 「はぁ…はぁ……ここまで来れば、大丈夫か……」 まこちゃんは私の方を向く。 走っていたときとは打って変わって、嬉しそうな…ワクワクしてる、キラキラした目、弧を描く唇。 「なぁ、陽夏。 驚かないで聞いてくれよ…?」 「うん。 どうしたの?」 「俺、ここが何処か分かったんだ」 私は、次の一言で驚くなと言われたにも関わらず、盛大に驚いてしまう。 「ここは、京都だ。 でも…平成じゃなくて、幕末に来ちまったようだ」 ………………ん? ばく…まつ…? 「えええええ!!?」 「う、うるさいって!!」 そりゃ、誰だって驚くだろう。 叫びたくなるだろう。 今いる時代が幕末だって…?
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