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「まぁ、カズマの素行はカッコよくなかっただろうから、あきらめなよ。」
「う…。」
「あははは!」
思い切り笑って、お腹いっぱい食べて、飲んで…。
帰りはまたカズマが送ると言ってくれたけれど、なんだか落ち着かないから断った。
次の日は仕事へ行って、ミユキを口実にしたことを説明して謝った。
「少年の悪知恵にはムカつくけど、一華が助けられたなら見逃してやろう。」
なんて言っていたけれど。
出張が忙しいのか、ケイトくんから連絡はなかったけれど、これからのことについてゆっくり考える時間があって、良かったと思う。
とはいえ、1週間も連絡がないのは少し心配になって、メールを送ったけれど返信はない。
気にはなるけど、どこへ行ったのかもわからないし、待つしかない。
仕事を終えて、今日は家でのんびりしようとくつろいでいると、ケータイが鳴った。
「もしもし?」
『一華?』
「1週間も連絡ないから、心配したよ。」
『ははは、ごめんね。
今日、家に居る?』
「うん。」
『これから行くから。』
「わかったよ。」
…一緒に暮らしていると思っていたけど、‘帰る’じゃなく、‘行く’っていうのは、前からの名残なのかなぁ。
15分も経たないうちに、チャイムが鳴る。
鍵を持っていないのかな?
私が家に居るからチャイムを鳴らしたのか。
「おかえりなさい。」
「た、ただいま。」
そう笑った顔はなんだか疲れているみたい。
「荷物は?」
スーツ姿だけど、いつもの鞄は持っているものの、出張へ行ってきたような荷物はない。
「あのさ、話があるんだ。」
「…うん。」
こういう時に、嫌な予感しかしないのはなぜだろう。
テーブルを挟んで向かい合って座る。
しばらくの沈黙の後に、ケイトくんの口から出た言葉が、すぐには理解できなかった。
本当は、泣いてわめいても良かったのかもしれない。
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