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「だけど、ハナさんに会って、ハナさんが商店街が好きで就職して、この街に住んでるって言うから。」
「…。」
「ハナさんが好きな街だから、守ってんじゃない?」
「…。」
言葉が出ない。
「比較するとさ、やっぱ昔よりはお客さん減ってるし、駅前にデパートやら大型スーパーもあって、閉店っていうのも、そこまで遠い話じゃないんだよね。」
「…うん。」
うちの店だって、本店だからとわざわざ足を運んでくれるお客様もいるけど、デパートにももちろんテナントとして出店している。
残念なから、売り上げはそっちの店の方が断然上だ。
同じ会社だから、売り上げが多いことは喜ばしいとはいえ、競わないわけじゃない。
「俺らの世代は人数も多いから、代替わりしてる店も多いけど、俺らが子どもの時より今はずっと子どもの人数がかなり少ないから、先のことはわかんないかな。」
「ううう。」
「実際、跡継ぎがいなくて閉店もしてるし、空いた店舗をどうするかって問題もあるんだよ。」
「そうだよね…。」
「ネイルサロンは、空いた店舗を使ってくれてて、リフォームとかも、知り合いの工務店に頼んだりして、出来るだけ安く仕上げたんだよ。」
「ハロウィンの時にも手伝ってくれた人たち?」
「そうそう。
同級生ネットワーク、なんてね。」
翔太がニカッと笑う。
「すごいなぁ、いいなぁって思ったよ。
…でもそれって、みんな仕事の合間にやってるの?」
「まぁ、そういう場合もあるかな。
会合が頻繁にあるのも、そういう話が多いってのもあるけど。」
「そうなんだ。」
「レンさんも仕事の合間に、色々提案してくれてるよ。
ただ、あの人が会合に来ると、騒ぐだけ騒いでひどいことになる。」
「あはは…。」
想像はすぐにできるような…。
「レンさん、1度はこの街から出てったから、戻ってきたときには驚いた。」
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