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「商店街から出て、駅前に移った時?」
「ううん、まだ商店街に事務所があった頃に、しばらく消えた。」
「え?」
「事務所は、他にも社員さんがいたし、メールやらネットもあるから、仕事はしてたみたいだけど。
どこにいたのかは、誰も知らず。」
「そうなんだ。」
「今は、彰人さんと住んでるんだよね?」
「そうみたいだね。
元々、同級生って言ってたけど、年も離れてるしお兄ちゃんのことって、よくわからないんだよね。」
「まぁ、そうだよね。」
「あ!けど、お兄ちゃんが5年か6年くらい前に、2回目の離婚をしてから、一緒に住んでると思う。」
「…5、6年前?」
「うん。」
「偶然?」
「え?」
「レンさんがいなくなったのも、そのあたり。」
「お兄ちゃん、なにか知ってるだろうね。」
「そうかもね。
…って、そろそろシャワー入ってくる。」
「うん。」
「ハナさんは、カズマに添い寝してあげたらいいんじゃない?」
「なっ!
なんか、今日その話ばっかり。」
「そうなの?」
「そうなの!
もう、そんなに添い寝って重要なの?」
「重要~!」
なんて笑いながら、翔太はお風呂場へ行ってしまった。
添い寝なんてしないけど、様子を見にまた部屋へ向かう。
「ハナちゃん?」
ぼんやりと、カズマの声がする。
「起こしちゃった? 」
「ううん。」
「なにか飲む?」
「飲みたい。」
「スポーツドリンク?お水?」
「お水がいい。」
「了解。待ってて。」
「ハナちゃん、ありがと。」
「うん。」
冷蔵庫にペットボトルのお水を取りに行って、カズマに渡す。
ゴクゴクと、一気に半分くらい飲んで、ふーっと息を吐き出した。
「熱測る?」
「うーん、いいや。
寝たらちょっと楽になってきた。」
そりゃあ、熱があるのに立ちっぱなしの仕事とか、外でチラシ配ってたら、ツラいと思う。
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