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「来店したときに、お店からのメールを受けとるってしてくれたお客さんだけだけどね。
来店確認のメールは、みんな送ってて、その時に簡単なメッセージとかつけたりするんだけど。」
「す、すごいね?」
「予約の日時はそのまま来店するってお客さんが多いけど、日にちを変えても、オレに担当させてくれるってお客さんには、迷惑かけちゃうから、謝罪メールしようと思って。」
「そっか…。」
髪を切るって、毎日することじゃないし、人によっては年に数回のことかもしれない。
だけど、希望により近い仕上がりにしてもらえたら、すごく嬉しいし、美容室へ行った日だけじゃなくて、その次の日も、次の次の日も、髪を見るたび触れるたびに、楽しくなる。
そして、またその美容師さんにお願いしたいって思うなぁ。
「でも、店のパソコンからじゃないと送受信できないから、どうしようか考え中だけどね。」
「ふふふ。」
「ん?」
一生懸命なカズマも好きだなぁ。
「待ってくれるお客さんのためにも、今はまず体調を整えることを最優先にしようよ?」
「そうだね。」
ぎゅうっと腕に力がこもる。
ドキドキと、安心で、背中も心も温かい。
こんな風に感じたことって、今までなかったかもしれない。
「病院行こうか?」
「うん。
あ、でもオレひとりで行けるから大丈夫だよ。」
「…でも。」
「昨日の夜中には、たぶん熱下がってる。
今ちゃんと熱測るから。」
「体温計持ってくるね。」
「ありがと。」
体温計を持って部屋へ戻ると、カズマは布団からシーツをはずしてまとめている。
「私やるよ。」
「布団って意外と力仕事なんだから、大丈夫だよ。」
「病み上がりっていうか、まだ病人だよ?」
「平気、平気。」
「体温計持ってきたから、熱測って!」
しぶしぶと言わんばかりに、体温計を受け取ってくれた。
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