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「シャワー?」
「シャワー。」
「もう、お風呂にゆっくり入ってもらおうと思って準備してたのに。
寝ちゃっててごめん、。」
「え、そうだったの?
嬉しい。ありがと。」
「お風呂入れてないのに。」
「そうだけど、いいの。
あ、ハナちゃんお腹空いてない?
なにか作ろっか?」
立ち上がろうとするカズマを押さえる。
「ダメ。私が準備する。
ずっと寝てろとは言わないけど、仕事はダメ!」
「う…。」
「掛けてくれてありがと。」
ジャケットと毛布をたたみながら、冷蔵庫の中に入ってるものを思い浮かべる。
うどんを買っておいたから、それにしようかな。
ネギたっぷりで、卵も落とそう。
温かい食事って、ホッとするから好きだなぁ。
「おいしい!」
「良かった。」
自分が作ったご飯を、おいしいって食べてくれる人がいるって、本当に幸せだなぁ。
たまに、だからそう思うのかな。
これが、毎日毎日朝昼晩と続くとなれば、ツラい日もあるよね。
せっかく作ったのに”外で食べる”って、サラッと言われたら、イラっとするのは当たり前のことかもしれない。
私もお母さんに何度そんなことを言ったかな。
うん、反省しよう。
「ハナちゃんは今日は出掛けたりしないの?」
ハフハフとうどんをすする合間に、カズマが顔をあげる。
「考えてなかったけど…。」
さっきカズマがまとめた本や雑誌が目に入る。
もしかして、仕事するのに邪魔になる?
「で、出掛けようかな…。」
「…ストップ。」
「え?」
カズマの眉間にシワがよる。
「誤解してる?」
「え?」
「邪魔にされてるなんて、思わないでね?」
驚いて、目を見開いてしまう。
思ったことが知らぬうちに、声に出ていたのか、はたまたカズマが心を読んだのか…。
「ほら、やっぱり思ったんだ。」
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