第8章

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これは心を読んだんじゃなくて、表情を読まれたんだ。 「違うからね? せっかくのお休みなのに、家のことたくさんしてくれて、それで更にオレに気を使って、家にずっといてくれなくてもいいんだよ?」 「そ、それは。」 図星だ。 だけど、 「家のことをするのは、当たり前のことだから気にされても困る。 私だって暮らしてるんだから…。」 ご飯のことも、家賃のことだって、すごく甘えているのに。 「そっか。 うん、ありがとう。」 「…だけど、カズマが家にいるなら、私も家で一緒にのんびりするお休みもいいかなぁって、思ったんだけど。」 「…え?」 ものすごく驚いた表情を向けるから、おかしなことを言ってしまったと焦る。 「あ、ごめん。」 そういうのって、煩わしかったり迷惑なこともあるよね。 カズマだって、具合が悪くて休んでるのに。 どうしよう、不謹慎なことを言ってしまった。 どんよりした後悔に包まれそうになった、その瞬間カズマの顔が赤いことに気づいた。 「え!? カズマ、また熱上がった!?」 おでこに伸ばそうとした手を優しく掴まれた。 「ハナちゃんが、そんなこと思ってくれてるなんて思わなくて…。」 「へ?」 手を掴んだまま、ズリズリと移動して隣に座った。 「オレはハナちゃんと、一分一秒でも長く一緒にいたいと思うけど、ハナちゃんはどう思ってるか、って…初めて聞いたから。」 「あ…。」 「そりゃ、オレは一緒にいて欲しいけど、風邪うつしちゃ困るし、ハナちゃんだって用事とか息抜きとか気分転換とかあるだろうし…。」 途中から自信がなさそうになっていく姿が、無性に可愛く見える。 「カズマは仕事も忙しくて、やりたいこともあって、そこへ向かってがんばってて。」 「…。」 「周りの人からも必要とされていて、すごいなって思う。」
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