第8章

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「???」 ふたりにはどうやら通じているらしいけれど、私には理解不能だ。 これが、幼馴染みの特権? それはそれで、ちょっとうらやましいな。 「教科書っつーか、参考書とか必要なら教えるけど。」 「ん、頼む。」 そういえば、翔太って成績もよかったって言ってたよなぁ。 あっさり合格しちゃいそうで、怖い。 「ねぇ、翔太。 こたつ欲しいねって、さっき話してたんだよね。」 「こたつ、いいけど…出られなくなる。」 「だよね! もうみんなで居間で生活しちゃう?」 「ホットプレートとか、電気鍋があったら、もう最強だな。」 「うわぁ、楽しそう~!」 そうはいうけれど、ひとつ残念なことは、翔太もカズマもそれほど家にいる時間が長くないってこと。 翔太も大将のお店を手伝うことになったら、家には眠るためだけに帰ることにもなるかもしれない。 「でもやっぱり、やめておこうか?」 「え、なんで?」 カズマも翔太も、キョトンとしている。 だって、私ばかりひとりでこたつにいても、きっとつまらない。 それなら、大将のお店に通っちゃおうかな?なんて。 そうは思ったけど、さすがにこんなことは言えないよ。 「カズマがこたつから出られなくなったら困るから! ね、ご飯にしよっか?」 スルリと手を離して、毛布から出て立ち上がる。 がんばるふたりを応援するのも、もちろん好きだけど。 ふたりががんばるほどに、眩しく見えて、遠い存在になってしまうようで、少しさみしくなる。 それは、私自身ががんばれていないから? それともただのわがまま?独占欲? モヤモヤとした、不安に包まれる。 振り切るように、頭を左右に降って顔をあげる。 「ご飯炊いておけばよかったよね。 ごめんね。」 「ん、大丈夫。 冷凍のがあったと思う。」 「カズマは、雑炊にする? って、私が雑炊食べたいかも。」
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