第9章

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午後からも順調に予約を受付して、仕事を終えた。 それから、受付までは順調だったけれど、案の定引き渡しが始まると、慌ただしく毎日が過ぎていく。 いつもより早く出勤して、注文の確認と、引き渡しがスムーズに進むように配置を整える。 ケーキの置場所はもちろんだけれど、お店の中も引き渡しに来た人たちの並ぶ列の他に、通常のお菓子を買いに来て下さったお客様用のレジの列も誘導出来るように準備する。 開店してしまえば、もう順番に仕事を進めるしかない。 「一華先輩、この注文って…。」 後輩に声をかけられて、素早く注文票を確認する。 「それは、こっちにあるよ!」 「わかりました! ありがとうございます。」 「一華先輩、クッキーの在庫少ないんですが…。」 「わかった、取りに行ってくるから、こっちよろしく!」 「はーい!」 忙しい時ほど、チームワークって大切だなぁと痛感する。 普段出来るだけコミュニケーションが取れているようで、安心してしまう。 こんな日は、ミユキも事務職はお休みして、全面的に裏方のサポートをしてくれている。 「ミユキ、クッキーお願い!」 「了解。 そろそろ無くなるから、ミニバッグも追加持ってって!」 「ありがと!」 ベテランだからこそ、裏方に回ってもらえると、サポートが手厚くなって、安心して接客できる。 売り場のことがわかるからこそ、売り場に確認に行かなくても、足りないものにも気がつくのかな。 とはいえ、誰にでもできることじゃないと思う。 お店の閉店後には、当日の注文票の整理と、在庫確認や売り上げの確認をして、次の日の準備もある。 もちろん、残業だ。 初日はまだまだ、と思っていても、24日ともなると、疲れは最高潮なのに、引き渡しもピークだ。 「みなさん、疲れているとは思いますが、確認よろしくお願いします。」
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