514人が本棚に入れています
本棚に追加
慌てて支度をして、みそ汁だけ食べて、家を出た。
今日は早く帰れるだろうから、カズマにプレゼント用意したいなぁ。
あ、翔太にもなにか見つかるといいな。
先に準備しておけば良かったのに、っていうのは、いつも後になってから気づく。
昨日までの忙しさとは少し違って、落ち着いて接客や作業もできて、安心する。
お昼も多少休憩が取れた。
今日は早番で何人か帰してあげられて、ホッとする。
わかってはいても、クリスマスに激務が続くことを理由に、辞めてしまわれたらすごくさみしい。
「一華先輩は、デート大丈夫ですか?」
「まみちゃん。
お疲れさま。」
「お疲れ様です。
カズマさん、待ってるんじゃないですか?」
「どうだろ?
カズマも忙しいみたいだし。」
「クリスマスのデートで、気合い入れてセットしたりする人もいますもんね。」
「ねー。」
在庫を確認し終えて、まみちゃんと一緒に事務所へ向かう。
「お疲れさま。
ふたりとも、終わったら早く帰りな?」
「ミユキは、まだ終らないの?」
「私はもうちょっとかな。
少年とクリスマスデートしなよ?」
「いや、しないよ。」
「待ってると思うよ~?」
「私もそう思います。」
まみちゃんまで、うんうん頷いている。
押し出されるように店を出て、大将のところへ寄ろうかと歩いていると、
「ハナちゃん!!」
「か、カズマ!?」
どんなタイミング?
後ろから走ってきたと思ったら、ぎゅうっと抱きしめられた。
「ハナちゃん~!」
「ちょ、っと!」
こんなところで、恥ずかしいんだけど!?
でも、温かくて…なんか、ホッとする。
「大変だったね。
お疲れさま。」
「ありがと。
って!!プレゼント!」
「びっくりした?」
照れたように笑っている。
「びっくりしたけど、嬉しかった。」
「良かった。」
最初のコメントを投稿しよう!