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ゆっくり過ごしたかったのに、疲れと睡魔には勝てず…。
気づいたら、朝になっていた。
今度は、カズマが忙しくなったみたいで、早出して、残業も続いている。
年末は髪を整える人が増えるらしい。
その代わり、お正月は休めるかと思いきや、どうやら着付けも扱ってるらしくて、初詣に行く人たちの予約で忙しいらしい。
一緒に住んでいなかったら、かなりすれ違いの会えない生活が続いていたんだろうな。
去年までは、大して気にしていなかったのに…。
カズマは美容室の仕事が忙しい分、大将のお店には翔太が通っている。
とはいえ、翔太だって本業も忙しいのに。
大晦日は、いつもより少し早めに仕事が終わる。
翔太がお刺身持って帰るとは言ってくれてたから、私はお酒と、おつまみになりそうなお菓子なんかを買って家に帰る。
「ただいま~…って、まだ誰もいないか。」
玄関や居間の電気をつけながら、家に入る。
台所で冷蔵庫にビールの缶を入れていると、
「ただいま。
ハナさん、帰ってる?」
「翔太、おかえり。」
「お刺身と、あと適当におかず持ってきた。」
「ありがとう。」
「カズマは?」
「さあ?
遅くなるんじゃない?」
初詣へ向かう為の着付けって、一体何時から受付なんだろう?
明日も朝は早いってことなのかな?
「翔太は、今日は大将のお店には行かなくて大丈夫なの?」
「うん。
早めに閉めるって。」
「そうなんだ。」
「カズマはいつ帰るかわかんないし、先に食おっか。」
「うん。」
居間にお皿やおかずを運ぶ。
「ひとりじゃないって、心強い。」
「えー?
去年はモトカレと年越ししたんじゃないの?」
「ううん。」
「…は?」
翔太の眉間に深いシワが寄る。
「実家でごちそう食べたいからって。」
「…。」
「1日は家族で初詣行くのもあるからって。」
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