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「家族を大事にする人なんだなーって思ってた。」
「そりゃ、家族も大事だけど…。
なんだよ、それ。
ハナさんがひとりで過ごすって、わかってんのに…。」
「ハハハ。」
「なんで言わなかったの?
大将のところ…っつーか、カズマの部屋でも、もううちに来たって良かったのに。」
「そんな、家族で過ごす大事な日に、他人がお邪魔したら迷惑でしょ。」
「だったら、カズマだっていたんだから…。」
「そういう関係でもなかったし…。
それに、終わったことだから。
今年は楽しいから、全部チャラにできちゃうかも。」
「ハナさん、ほんと優しいからな。」
「そんなことないよ。
お腹減ったね。
翔太はビール飲む?」
「うん。」
冷蔵庫からビールをふたつ取り出す。
「乾杯しよっか?」
「うん!」
居間のテーブルに、並んで座る。
「今年もおつかれさま。」
「翔太も、おつかれさま。」
缶をガゴンと当ててから、ゴクリと飲む。
「なんか、ホッとした。」
「?」
「色々、責任ある立場になってきちゃって、緊張することも多かったから、クリスマスとか無事に終わって良かったなぁって。」
「そっか。
大変だったんでしょ?」
「毎年のことなんだけどね。」
「毎年大変ってことだね?」
「いい加減、慣れなきゃね。」
「そんなことないんじゃない?」
「そうかなぁ。」
お刺身に箸を伸ばす。
「おいしい~!」
「でしょ?」
「うん!」
「そういえば来年は、イベント増やしてみようって話も出てるんだよね。」
「商店街の?」
「ああ。
でもなにするにしても、準備と資金調達は、大変だけど。」
「そうだよね…。」
「別予算組むって言っても、うちも含めどこの店も、余裕なんてないからなぁ。」
「なにか、協力できたらいいんだけど。」
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