第9章

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「充分協力してもらえてるから、安心して?」 「えー、出来てないよー。」 「ハナさんがいるだけで、カズマががんばるから。」 「それって、なんか違う気がする。」 のんびりお酒を飲みながら、おいしいものを食べて、楽しく話せて、そういうのが幸せだなぁと思えるようになった。 もちろん、人それぞれの幸せの感覚は違うから、私の幸せが全てだとは思わない。 でも、一緒にいる人とは、共有できたら嬉しいなぁ…。 「た、だいま…。」 玄関で、微かに声が聞こえた。 ドタドタ足音が近づいてきて、 「ただいま!! ハナちゃん!!」 夜なのに、太陽みたいな笑顔のカズマが帰ってきた。 「おかえりなさい。」 「ただいまぁ!」 近づいてくるから思わず、 「手洗いうがいが先だよ? また熱出たら困るんだから。」 「う、わかった…。」 洗面所へ飛んでいく。 翔太と見合って、苦笑いする。 「カズマは、ビール飲む?」 台所から問いかけると、 「ビール飲む!」 元気な声が聞こえる。 疲れてるのか、空元気なのか、それはそれで心配だけど。 冷蔵庫をのぞいていると、後ろから思い切り抱きしめられた。 「!?」 「ハナちゃん、間に合ってよかった…。」 「ちょ、っと!」 腕から逃れようともがく。 「年越しは絶対一緒にしたいから、無茶苦茶いそいで帰ってきた!」 「充分間に合ってるから…。」 翔太に冷やかされる前に、離して欲しい。 「え、そんなに嬉しくない感じ?」 「う、嬉しいけど、とりあえず離して?」 「仕方ないなぁ。」 パッと解放されて、ひょいっと缶をひとつ奪われた。 「乾杯しよ?」 「うん。」 カズマと缶を合わせた。 「おつかれさま。」 「ありがと。 ハナちゃんも、おつかれさま。」 「ありがと。」 居間に戻ると、翔太がうたた寝をしていた。
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