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忙しくてカレンダーのことになんて、気づいてなかった。
「順番に休みのはずだから、週末には休みがあったはず。」
みんなに休みの調整をしてもらうようになってから、シフト決めが少し楽にはなったけれど、こういう時期に積極的に自分から休むわけにはいかない。
「週末ならオレも少し早めに仕事終われるかもしれないから、一緒にカレンダー買いに行こう?」
「うん。」
そう答えつつ、ふと思い出す。
「そういえば、翔太のお店のカレンダーもらってなかったっけ?」
「そんなこと言うなら、うちの美容室と居酒屋の分もあるけど?」
カズマが笑いながら言う。
「じゃあ、それ3枚並べて貼っておいたらいいんじゃない?」
「えー、やだよ。」
「そんなことないよ!」
身体を少し横にずらして、後ろを振り返ると、カズマと目が合って笑った。
「ハナちゃんのとこは、カレンダー作ってないんだ?」
どうやら商店街では、あちらでもこちらでもカレンダーを作って配っているらしい。
「何年か前に、卓上カレンダーを作ったことはあったみたいだけど、そんなに評判良くなくて。」
「ははは。
まあ、うちも居酒屋のはそれなりに余るから、全部リョウのお絵描き用。」
「あはは、そうなの?
でもちょっと贅沢だね?」
「お絵描き帳よりは高いかも?」
そう言って笑った。
「そういえば、カレンダーもレンさんの会社に頼んでるんだよ。」
「そうなんだ。
お兄ちゃんも手伝ってるのかな?」
「手伝うってレベルじゃないんじゃない?」
「ん?」
「レンさんの代理で仕事してるよ。」
「え、っと?」
「肩書きはどうなってるのかわからないけど、言うなら副社長ってところじゃない?」
「へ?」
「結構忙しいみたいだよ。」
「そうなんだ。
って、今日お兄ちゃんも一緒に実家に行ってきたんだ。」
「そうだったんだ。」
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