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「一華先輩は、カズマさんと初詣行ったんですか?」
念入りにガラスケースを拭いていると、クッキーの入ったかごを持っているまみちゃんが隣に立った。
「仕事だから、まだ行ってないよ。」
「そうなんですか?」
「初詣に着物って人も多いでしょ?」
「あ、着付けやってるんですね。
一華先輩も着付けてもらっちゃえばいいじゃないですかぁ。」
「へ?」
思ったより大きな声が出てしまった。
すぐに周りにいた子達も反応する。
「なになに?」
「一華先輩が、カズマさんに着付けてもらえばいいのにって。」
「それいいですね!」
「乱れちゃっても、直してもらえますね~?」
「は!?
もう、なに言ってるの!
し、仕事しよう!」
「あー、一華先輩赤くなってますよ?」
「可愛い~!」
「か、開店まで時間ないよ!」
「はぁ~い。」
それぞれ持ち場へ戻るけれど、ホントなに言っちゃってるんだか…。
添い寝の時といい、みんなの発想には驚く。
変なこと言われて…頬が、熱い。
お店が開くと、途切れることなくお客様が来店する。
お正月早々にお菓子?なんて思われることもあるけれど、年始のご挨拶に持っていく為に、小さな詰め合わせを買い求めるお客様は多い。
手頃な価格の詰め合わせが足りなくなりそうで、追加の準備をする。
「バタバタしてんね。」
裏で箱を並べていると、ミユキが隣に立った。
慣れた手つきで、クッキーを詰めていく。
私はしおりを半分に折りながら、箱に詰められたクッキーの袋の上に置く。
「ありがと。」
「事務所はそんなに忙しくないからね。」
「そうなんだ。」
「年越しは楽しかった?」
ミユキまでニヤニヤしてるよ。
「うん。
カズマと翔太とのんびりしたよ。
って言っても、カズマは仕事遅かったし、1日も仕事だったけど。」
「そうなんだ。」
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