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「それより、新婚さんのお正月はどうなの?」
「うーん、お互いの実家に顔出して、初詣行ってってくらい?」
「ふーん?」
穏やかで幸せそうだなぁ。
「そういえば、年末の福引きで当たったんだけど。」
「なにが当たったの?」
話ながらも、私もミユキも素早く手は動き続ける。
「温泉ペア宿泊券。」
「おおお!すごいじゃん!」
「休み合わせて、行かない?」
「へ?」
「たまにふたりで、ゆっくりどぉ?」
ミユキがニヤリと笑う。
「旦那さまと行かなくていいの?」
「それはそれとして、このところ休みもなかなか合わないし、まして旅行なんて久しく行ってないじゃん?
一華が良ければ、だけど?」
忙しいのはわかっているけれど、手が止まる。
「…ミユキ~!」
思わず抱きつきたくなって、両腕を伸ばしたけれど、アッサリ拒否された。
「オッケーってことね。
今月ちょうど休み同じところがあったから、その日ってことで予約入れとく。」
「ありがとう。
すごく嬉しい!」
「はいはい、手は動かす!」
「はい!」
楽しみだなぁ。
ウキウキしながら、包み終えた詰め合わせを売り場へ運ぶ。
忙しいと言っても、クリスマスの時とは違って休憩を取る余裕もある。
今日は大将のお店に寄ろうかな。
詰め合わせをひとつ買っておこう。
亮太郎くんはいるのかな。
クッキーは好きかなぁ。
あっという間に仕事を終えて、大将のお店へ向かう。
「こんばんは。」
お店の戸を開けると、
「ハナちゃん、いらっしゃい!」
「今年もよろしくお願いします。
これ、少しですが…。」
詰め合わせの入った紙袋を渡す。
「気使わなくていいのに!
ありがとう。」
「ハナさん、お疲れさま。」
奥から翔太が出てきた。
手伝っていることはわかっていても、まだちょっと慣れない。
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