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「ご飯、どこで食べる?」
「大将のところは?」
「たまには、別の店に行ってみない?」
「うん、いいよ。」
大将のお店も、カズマの料理も大好きだけど、他のお店に行くことも、楽しいしきっと勉強になることもあるんだろうな。
「近場の情報が欲しいけど、なかなか雑誌には載らないね。」
「そうだね。
ハナちゃんは、旅行どのあたりに行きたい?」
「仕事終わってから出発となると、できれば移動時間は短い方がいいよね。」
「そう?
って、さすがに飛行機使う距離は無理だけど、ちょっと遠くても大丈夫だよ?」
ジッと、カズマを見つめる。
移動時間が長いと、余計に疲れちゃうかもしれないのに。
「ん?」
「…なんでもない。
あ、ミユキと泊まるのは、近くの温泉旅館なんだよ。」
「そうなんだ。」
「地元っていうのも、なかなか泊まる機会がなかったから、新鮮でいいかも。」
「そうだね。」
旅行って、計画を立て始めた時からもう楽しいから不思議。
「このお店は?」
ふと通りかかった、洋風居酒屋の看板が目に止まる。
「いいよ。」
お店に入ると、半分くらい席は埋まっていたけれど、カウンター席をお願いして、案内された。
カウンター席は落ち着かないと思っていた時期もあったけれど、店員さんの動きが見えて、時々為になるような話を聞かせてもらえることもあるから、今は好き。
「ワインがたくさんあるね。」
並んでメニュー表を眺める。
「ハナちゃんはワインにする?」
「うん。
カズマは?」
「オレもワインにしようかな。」
グラスで頼めるらしいから、飲み比べもできそう。
白いワインと、サラダや、ミニチーズフォンデュを注文した。
「乾杯。」
「乾杯。」
ひとくち、ワインを飲んでから、
「今日、ユキちゃんに会ったよ。」
チラリとカズマの横顔を見る。
「そっか。」
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