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「もー!
うちの女の子たちは、そういうのばっかりなんだかぁら!」
「だって、イベントってきっかけじゃないですかぁ。」
「…え?」
「穏やかな毎日はもちろん幸せだけど、たまーにそういうイベントで、ドッキドキするから、また穏やかな毎日が幸せに過ごせるんじゃないですか?」
「…深いような、深くないような話だ。」
「えー、ひどいです~!」
「あはは、ごめんごめん。」
でも、わからなくもないな。
って、マミちゃんの言うようなことはしないけど。
閉店の作業を終わらせて、大将の店へ向かう。
「こんばんわー!」
「ハナちゃん、いらっしゃい!」
「大将、これほんの気持ちです。」
チョコの入った紙袋を差し出す。
「ありがとう。」
少し照れたように、にこにこして受け取ってくれた。
「ビールお願いしまぁす。」
「はいよ!」
小上がりに向かうと、先客がいた。
「一華、おかえり。」
「おかえりって、おかしいでしょう。」
まさかとは思ったけれど、予想が的中した。
「はい、バレンタイン。」
「本当に!?
くれるのか!?」
「うん。」
「一華~!!」
両手を広げて近づいてくるから、拒否して向かいに座る。
念のため、準備してきて良かった。
「ハナさん、お疲れさま。」
翔太がビールを運んできてくれた。
「ありがとう。
チョコ、翔太の分もあるんだけど、後で渡すね。」
「ありがとう。」
「あ、亮太郎くんはまだ帰ってないかな?」
「まだみたい。」
「それじゃあ、大将にお願いしてこよう。」
亮太郎くんへのチョコを大将に預けていると、
「ただいまぁ。」
カズマが帰ってきた。
「ハナちゃん、おかえり。」
「カズマもおかえり。」
チラリと見ると、両手に紙袋を提げている。
「着替えてくるね。」
奥に入っていった。
小上がりに戻って、ビールを飲む。
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