第10章

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特別な日じゃなくても、プレゼントをしたって変じゃない。 だけど、それは少し恥ずかしい。 特別な日だからと渡せるなら、ステキなきっかけになる。 ほんの少しの勇気を出して、たくさんの幸せを伝えるお手伝いが出来る。 お菓子って、甘くて優しくて、大好きだな。 「試験終わって、バレンタインも落ち着いた?みたいだし、旅行の日程決めようか。」 「うん。 あ、でもミユキとの温泉も延期になっちゃってて。 休み調整してみるから。」 「了解。」 「商店街は、バレンタインにはイベントしないんだね?」 「あー、やっぱりハナちゃんのお店が強いよね。」 「ありがとうございます…。」 「なんかこう、うまく絡める方法も考えてみないとなぁ。」 「ハロウィンとか、クリスマスみたいに、元々あるイベントをやるのも楽しいけど、そういう時ってあちこちでイベントやるから、競争率は上がるよね。」 「そうなんだよね。 せっかっく開催しても、人が集まらないとさみしいよね。」 「商店街の日、みたいなのを作るとか?」 「昔はそんな感じの日もあったけど、なかなか大変だからね。」 「そっか。」 「って、商店街の幹部じゃないんだから。 せっかくハナちゃんと、ラブラブ帰り道なのに。」 「帰り道ね、帰り道!」 「はいはい。」 家に着くと、外灯はついていたけれど、翔太はとっくに寝ているらしい。 朝も早いから、ゆっくり寝られるといいな。 「ハナちゃん、一緒に寝ようよ?」 「…仕方ないなぁ。」 「やった。」 本当は一緒に居たいのに、可愛くない言い方ばかりしちゃう。 もっと素直になりたいなぁ。 カズマの温かい腕の中で、眠りに落ちた。 朝になると、カズマがいないのが少し寂しい。 旅行、楽しみだな。 その前に。 思ったよりも早く都合がついた。 ミユキと温泉へ出掛けた。
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