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ふと、横を見るとベッドでカズマがスースー寝息をたてている。
…結局一緒に寝てるじゃん。
苦笑いしながら、カズマの寝顔を眺める。
前から思ってたけど、憎らしいくらい肌がツルツルで、睫毛も長い。
鼻筋もスッとしていて、キレイなんだよなぁ。
触れたら起きるだろうか。
少しくらいなら、大丈夫かな。
そーっと頬を撫でる。
その瞬間、パシッと手を掴まれた。
「!?」
もしかして、起きていた?
そう思った時には、布団に引きずりこまれて、ギュッと抱きしめられる。
力の強さと、甘い香りに、胸はドキドキして頭はクラクラする。
「夢なら…もう少し…。」
そう呟いたかと思うと、パーカーの裾からスルリと手が背中に触れる。
「か、カズマ?」
「うーん…。」
ゆっくり目が開いたかと思ったら、背中からスッと手が離れ、頭をかき混ぜられる。
と、大きく目が開いた。
「うわあ!?」
ものすごい勢いで起き上がって、ベッドから滑り落ちた。
「だ、大丈夫?」
「ハナちゃん?
…ご、ごめん!!」
「寝ぼけてた?」
頬が少し熱いけれど、慌てたカズマがちょっと可愛い。
「寝ぼけたけど、寝ぼけてないけど、ごめん!」
「ふふふ、びっくりしたけど大丈夫だよ。
間違えちゃって、残念だね。」
「そんなことない!」
「あはは、寝グセすごいよ?」
「…ハナちゃんもね。
あ、待ってて!」
バタバタ部屋を出たかと思うと、ドライヤーやブラシを持って戻ってきた。
「セットしてあげる。」
「えええ、いいよぅ。」
「いいから。」
布団に座らされて、ベッドに腰かけたカズマが私の髪をブラシですく。
なんだかくすぐったい。
そのあと、丁寧にブローしてくれた。
「よし、出来た。」
「ありがと。」
「朝ごはん持ってくるから、待っててね。」
「あ…。」
返事を聞かずに、部屋を出てしまった。
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