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「うん。」
「だから、できるだけそうならないように、自分にできることはしたいし、危険を察知できたらいいなぁ、なんて思う。」
「…そうだな。」
「けど、残念だけど、できないんだよね。」
「ああ。」
「だったら、わからない不安で怯えるより、楽しい時間は楽しく過ごしたいなぁ。」
「うん。」
「守れるチカラがあればいいのにね。」
「そうだな。」
「でもね、私も、お兄ちゃんが守りたいって思ってる人もきっと、そんなに弱くないよ!」
「?」
「そりゃ、ちょっと落ち込む日もあるかもしれないけど、そういう時にこうしてお兄ちゃんとご飯食べたら、なんか元気でちゃった、って思うかもしれないよ。」
「…。」
「元気づけようと意気込んでも、それほど効果がないこともあるけど、何気ないことに救われたり元気をもらえることってあるよ?」
「…。」
「変わらない日常に、変わらないご飯のおいしさに、救われることもある!」
「…。」
「罪悪感にとらわれる日があっても、それだけが世界の全てじゃないんじゃないかなぁ。」
「…。」
「って、私は思いたい。
なにがあったかは、本人にしかわからないことだけど、お兄ちゃんが関わってきた人たちは、お兄ちゃんに幸せになってもらいたいって、思ってると思いたい。」
「一華。」
「お兄ちゃんにも、よい出会いがありますように。」
「…ありがとう。」
「って、家に着いちゃった。
お茶でも飲んでいかない?」
「気持ちだけ、ありがたくいただく。
風呂に入って、早く休めよ。」
「うん。
送ってくれてありがとう。
ご飯もごちそうさま。」
「ああ。」
「気を付けて帰ってね。」
「わかったよ。
おやすみ。」
「おやすみ。」
せっかく見送ろうと思ったのに、先に家に入れって言われて、しぶしぶ家に入った。
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