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「なんかやってんの?」
「商店街のイベントのお手伝い。
あ、店長からは副業の許可もらったよ?」
「…。」
「なーに?」
「今はまだいいけど、一華は先のこと考えてんの?」
「先のこと?」
またその話か…と、思ってないわけじゃない。
小宮が心配する気持ちも、わからなくはない。
「定年まで、店頭で販売だけってわけにはいかないかもしれないぞ?」
「…。」
「ミユキみたいに、早めに事務職するとか、いっそ店長狙うとか考えてんのか?」
「事務職には、移動できないか相談してるよ!」
「知ってる。
だけど、今のままじゃ難しいぞ。」
「え?」
「お前、遅すぎんだよ。
事務職狙うなら、もっと早くからじゃないと、他の子たちはもうとっくに申請してる。」
「…え?」
「なんでミユキと一緒に事務職申請しなかったんだよ。」
「だって、接客したくて…。」
「だーかーら、先のこと考えてねぇって言ってんだよ。」
小宮の言うことは、正論だと思う。
そう思いつつ、話している内容がちっとも頭に入ってこない。
「定年まで働くって、おれはすごくいいと思ってるけど、上はまだそう思ってない。
今、一華に事務職に移動させるより、もっと下の子をさせたほうがいいと思ってる。」
「…。」
「ミユキもいつ辞めるかわかんない、で、一華は同期だから、もしかしてそろそろ寿退社もありうる年齢になってくるだろ?
それなら、年下を移動させたほうが長く使えるって話になってる。」
「…。」
「一華の能力が高いのはわかってる。
だけど、それだけじゃどうしようもなんないことも、あんだぞ。」
「…。」
「って、今言うことじゃなかった。
悪い。」
本当に悪いと思ってるのだろうか。
だけど…。
苦しくて、痛いけれど、間違えていないからくやしい…。
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