第10章

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手作りじゃないとしても、ディナーするとかホームパーティーの準備するとか、そういうのも体力的にも難しい。 ビールと、サラダや、可愛いピンに刺してあるチーズやハムが運ばれてきた。 「おいしそう。」 「お疲れ~。」 強引に乾杯を要求されて、グラスを合わせた。 「結婚するんだろうな~、したいな~…とは、思ってたよ。」 「だろうね?」 「でも、どんどん自信が無くなるの。」 「自信?」 「そもそも、相手がいなきゃ話にならないことでしょ?」 「あれ?彼氏いるんだろ?」 「…いるけど、年下でまだまだこれからやりたいこともたくさんあるだろうから。」 「結婚したからって、諦めるようなことだったら、始めから大してやりたいことじゃなかったんじゃねぇの?」 「…。」 黙ったら負けたような気がする。 そう気づいても、返す言葉が見つからない。 「年が下っていっても、学生なわけじゃなくて、仕事してんだろ? それなら、対等っつーか…。 あんまり気にすることでもないんじゃないのか?」 「…だけど。」 コツコツと、靴音が近づいてきたと思ったら、 「小宮はすぐ一華で遊ぶんだから…。」 「ミユキ…。」 仁王立ちをして、少し厳しい表情をしながら、私の隣に座った。 「よくわかったな。 連絡くるかと思った。」 「わかるよ。 私もビール飲もうかな。 料理はもう注文したの?」 「まだ。 ほら、メニュー。」 「ありがと。」 ミユキがメニューを広げる。 「で? 今度はなにで意地悪されてんの?」 「してねぇよ。 一番辞めそうだった一華が、辞めてなくてびっくりっつー話。」 「あのさー、十分意地悪でしょ。」 「違ぇし。」 「ここ、もちろん小宮のおごりなんだよね?」 「ああ。好きなの頼め。」 「よし、一華なに食べる?」 ミユキが来てくれて、雰囲気がガラリと変わった。
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