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翔太と一緒に、カズマの家を出る。
「ハナさん、なんでカズマにはキツいの?」
「だって、カズマは優しすぎるから。
もっと自分のこと考えて欲しいなぁ。
…って、私が邪魔してるんだよね。」
「カズマ、ハナさんだから優しいんだと思うけど。」
「えー?
そんなことないよ。」
「夜、来なかったら迎えに行くからね。」
「わかったよ。
お仕事頑張ってね。」
「ありがとう。」
別れ道で翔太に手を振って家に戻る。
鍵を開けて家に入る。
…なんだか他人の家になっちゃったみたい。
ひと休みすると、そのまま動くのが嫌になりそうで、勢いでやるしかない。
洗濯機をスタートさせて、食器を洗う。
バサバサと布団を整えて、掃除機をかける。
洗濯物を干して、お風呂掃除をしてから、冷蔵庫を開けて食材のチェックをすると、あっという間に夕方になってしまった。
ケイトくんはしばらくいないみたいだから、買い物はしなくてもいいかな。
ベッドに横になる。
私、なにやってるんだろう。
気持ちが揺れる。
着替えて軽くメイクをして、駅前のどこかで美味しそうなお菓子でも買おう。
昨日迷惑をかけてしまったから、大将に渡そう。
久しぶりにゆっくりデパートを回る。
おせんべいも美味しそうだけど、チョコもいいなぁ。
カズマは甘いの好きだったはず。
地下でおかきとチョコを買ってから、1階を通り抜けようと歩いていると、ジュエリーコーナーが目に留まる。
キラキラ光る指輪が眩しい。
きっと幸せな気分で選ぶんだろうなぁ。
他人事のようにそう思って、カズマのところへ向かう。
お店の戸を開ける。
「お、ハナちゃん。
おかえり。」
大将が笑顔で迎えてくれて、ホッとする。
「昨日はご迷惑おかけしました。
良かったら、食べてください。」
「気使わなくても、いつでもおいで!
ありがとうね。」
「あ!ハナちゃん!」
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