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カズマが出てきた。
「ご飯にする?
ビールにする?」
「あはは。
ビールをお願いします。」
「了解。」
個室に案内をされる。
前にカズマが読んでいた本が、テーブルの上に開いたまま乗っている。
開いてるから、のぞいちゃおうかな。
チラリと見ると、調理の教科書みたいだ。
…もしかして。
「あー!見ないで!」
ビールを持ってきたカズマが慌てている。
「み、見てないよ!」
「ホントに?」
疑いの目を向けながら、パタンと本を閉じた。
「はい、ビール。
あとつまめそうなものを、適当に…。」
小鉢を並べてくれる。
かぼちゃの煮物と、小松菜のゴマ和えと、切り干し大根と、ひじきの煮物もある。
「ありがとう。」
「あ、ハナちゃん気を使って、お菓子持ってきてくれたんだね!」
「ご迷惑おかけしました。」
「いいんだよ。全然。」
「ありがと。」
「少しは休めた?
家事ばっかりしてたんじゃないの?」
「ばっかりじゃないけど。
やらなきゃ、終わらないから。
それに、いつ帰ってくるかわからないし。」
「…そっか。」
「お疲れー。
お、もうハナさんがいる。」
「翔太もお疲れさま。」
「カズマ、酒頼む。」
「はいはい。」
「ハナさん家に乗り込む気満々だったのに。」
「怖いから、やめて。」
「怖くないって。」
「あ、カズマが荒れてた時期って、翔太も一緒に暴れてたの?」
翔太は威圧感というか、そういうのがあるんだよなぁ。
「いや、バカに構うほどヒマじゃなかった。」
「うそつけ。」
カズマが日本酒を持って戻ってきた。
「え?どっち?」
「夜はいたね。
ただ成績は絶対落とさないし、家の手伝いもするから、なんとなく見逃されてたけど。」
「カズマの監視してただけだから。」
「あはは、なんか想像つく。」
「翔太の方が、カッコよく聞こえる!」
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