第11章

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本人目の前に、なんて失礼なことを言うんだ…って、小宮だから仕方ない。 「そんなことないですよ?」 「あー…あれですか?」 「?」 「アンティークとかって、手入れに手がかかる分、愛着がわくって言うし…。」 「私古くないから!!」 「いや、ベテランだからね。 会社ではだいぶ古い扱いされてるからね。」 「…そこは否定できないけど…。」 私たちがふと黙ったところで、 「めちゃくちゃ振り回してくれるんで、もう虜なんですよね。」 にこにこしながら、カズマが言う。 「!??」 ボッと顔が熱くなる。 小宮はもちろんだけど、大将も翔太も、店にいるお客さんも、みんなが笑う。 「あはははは! 一華すげぇじゃん。」 「な、なに言ってんの!?」 テレても困っても、みんな楽しそうに笑っているから…。 もう、私も一緒に笑ってしまおう。 悲しいことや、やりきれないことがあったって、その何倍も笑っていたら、いつか心は救われるかもしれない。 「ヤバい、おれしばらくここに通うかも。」 「いいけど、時間ズラしてよね。」 「一華がズラせよ。」 「嫌だよ。 後輩たちに妙な誤解されたら嫌なんだってば。」 「あのさー、それって一華にも責任あるんじゃね?」 「はい??」 小宮は日本酒をぐいっと飲み干すと、少し甘めでスッキリしてる日本酒はないですか?なんて大将に話しかけている。 どうやら、飲みたいお酒が決まったらしく、翔太が一升瓶を持ってきてグラスに注ぐと、小宮はゆっくり日本酒を飲んでいる。 「あのさぁ、なんで私に責任があると思うの?」 「一華はなんで自分に責任がないと思えるんだよ。」 「質問に質問を返さないでよ。」 「うわ、へ理屈…。」 「答える気がないなら、言わないでよ。」 「…甘いよなぁ。」 「はい!?」
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