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いちいち勘に障る言い方をしなくたっていいのに。
「なんでも、望む答えがもらえると思うなよ。」
「…どういうこと？」
「誤解とか、そういうのって、今までもあったんだろ？」
「…うん。だから！」
くり返したくないから、気をつけたいって言ってるのに。
「だから、一華はどう対処したわけ？」
「…誤解をまねかないような言動を！」
「例えば？」
「親密そうにしないとか、近づきすぎないとか、あとは…。」
「ほら、論点がズレてんだよ。」
「どういうこと？」
「…ちょっとは、自分で考えてみろよ？」
「…。」
イライラする。
「もっとまわり見てみろよ。
誤解を招くやつと、招かないやつの違い、考えてみればいいじゃん。」
「…違い？」
「一華の彼氏、めちゃくちゃモテそうだよな。」
「…。」
「で、一華は誤解とかしたことあんの？」
「え…。」
彼女かもしれないと誤解したのは、涼子さんがカズマのお姉さんだって知らなかった時。
それ以外は、きっと美容室のお客さんなんだろうな、とか。
商店街の知り合いとか、同級生だったり、関係がわかるから、特別誤解をすることはない。
「ないんだろ？」
「…うん。」
「なんで？」
「なんで、って。
関係がわかってるっていうか…。」
「関係なんて、嘘ついてごまかしてるかもしんねーじゃん。」
「それはないよ！」
「…なんでそう言い切れる？」
「カズマはウソつかないから…。」
「なんでウソつかないかっていうのは、わかんねぇの？」
「へ？」
むずかしいなぞなぞを出題されているみたいで、頭の中がごちゃごちゃしてる。
カズマがウソをつかない理由？
ウソつくのが嫌いだから？
ほかには…。
私だったら、ウソをつく？
いや、つかない。
それに、ウソなんてつきたくないって思う。
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