第11章

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みんなが、驚いた表情でこっちを向く。 けれど、すぐに翔太が、 「ハナさんに言われたら、小宮さんも幸せになるしかないですね!」 って言うから、みんなが笑う。 「当たり前だろ。」 少しだけ、泣きそうな顔をするから。 ムカついても、嫌いにはなれないんだよ。 カズマと翔太はまだ仕事が残っていたから、小宮と一緒に店を出た。 「仕方ないからおくってやるよ。」 「近いから大丈夫だよ。」 「おれもそう思うけど、彼氏に頼まれたから責任は果たしとく。」 「…ありがとう。」 明日の作業のことや、次のイベントの話をしながら歩いているうちに、家に着いた。 「送ってくれてありがとう。 気をつけて帰ってね。」 「おう。じゃあな。」 「うん。」 小宮の後ろ姿がみえなくなるまで見送る、なんて気持ち悪くてしたくないから、そこそこ見送ってから家に入った。 別に緊張していたわけじゃないけれど、いろんな話して疲れたな。 居間の電気をつけて、ソファに背を預けると急に睡魔に襲われた。 まぶたが重くて、開けていられない…。 ゆっくりと、深く眠りにおちた。 ぼんやりと目を覚ましたときには、毛布がかけられていて、居間の電気は消えていたけれど、台所の電気がついていた。 「…翔太?」 そう呼びかけてから、目を凝らして時計をみると、まだ翔太がご飯を作る時間より少し早い。 「ううん、オレ。」 そう言って、カズマがひょこっと顔をのぞかせた。 「起きてたんだ?」 「うん。ハナちゃんは、帰ってそのまま寝ちゃったの?」 「うん、そうみたい。 毛布ありがとう。」 「あ、それは翔太だけど。」 「そっか。」 ふーっと息を吐き出す。 毛布から出ると、少し寒い。 「明日…ってか、今日も仕事でしょ?」 「うん。 あー、化粧だけでも落としてこようかな。」
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