第11章

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「ハナちゃん、今日一緒に寝よう?」 「…うん。」 答えながらも、もう寝てしまいそう。 「あ、ちょっと待って、布団敷くから!」 「私も手伝う…。」 そう言いながら、記憶が途切れる。 私も少しウトウト寝たんだけど。 次の休みには、思いっきり眠りたいなぁ。 そう思いながら、眠りに落ちた。 ギュッと、抱きしめていたものが、カズマだったことに気づいて、慌てて手を離す。 起こしてしまったかと、ドキリとしたものの、スヤスヤと寝息を立てているからホッとした。 まつ毛長いなぁ。 そっと前髪をよける。 ツルツルのほっぺたに触りたい。 でも起こしてしまうと困る。 うううんと、悩んでいると、 「そんなに見つめられてると、恥ずかしいんだけど。」 目をつぶったまま、カズマが口を開いた。 「お、起きてたの!?」 「うん。」 返事と同時にゆっくり目を開けた。 「起こすつもりはなかったんだけど。」 「そうみたいだから、起きてないフリしてた。」 「…意地悪。」 「時間大丈夫?」 時計を探すと、カズマに目覚まし時計を渡された。 「そろそろ起きなきゃ。 カズマは、あれ?もしかしてお休み?」 「うん。」 「そっか。 じゃあ、二度寝だね?」 私はゆっくり起き上がって、カズマに布団をかける。 「一緒にご飯食べよう?」 「寝てていいんだよ?」 「オレが一緒に食べたいの!」 「うん、じゃあ一緒に食べよう。」 起きて一緒に布団を片づける。 私は部屋で着替えをしてから、台所へ向かうと、カズマがおみそ汁を温めていてくれた。 「そういえば、翔太はちゃんと休んでるのかな?」 「たぶん。 でもそこそこ忙しい方が、気が紛れてるみたいだけど。」 「そっか。」 翔太が作っておいてくれた朝ご飯をテーブルに並べる。 「いただきます。」 「いただきます。」 手を合わせる。
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