第11章

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「一華先輩、大好きですよ。」 「あ、私も!」 「私もです!」 「…ありがとう。」 こんなにうれしいことって、あるだろうか。 自分だけが悩んで、がんばっているつもりでいた。 でも、ちゃんと受け止めていてくれたんだ。 ひとりでがんばっているわけじゃない。 「…店の前で、朝っぱらからなに騒いでんだよ。」 眉間にシワを寄せた小宮が立っている。 「小宮さんも、一華先輩のことホメてましたよね?」 まみちゃんが、いたずらっ子のようにニカっと笑って言う。 「それ、秘密っつったろ?」 小宮は邪悪にニヤリと笑って、早く働け~なんて言いながら店に入っていった。 「こ、小宮さんって、なんであんなにかっこいいんですか…。」 ポツリと、こぼれたひとことに耳を疑ってしまう。 「…まみちゃん?」 「へ?…あ!!! 今のナシでお願いします!」 慌てたまみちゃんに、ぎゅうっと両手をつかまれてしまった。 「!???」 だけど、驚いているのは私だけで、みんな知っていたように笑っている。 「違いますから! 恋愛とかじゃなくて、人として…。」 「ふふふ、わかったわかった。 そろそろ着替えよっか?」 「い、一華先輩!!」 焦るまみちゃんの背中をさすりながら、更衣室へ向かう。 平常心を保っているつもりだけど、めちゃくちゃ動揺しているのは、まみちゃんに負けないかもしれない。 みんながなんとなく、小宮にそわそわしていると思っていたけれど、そういうことだったのか。 それに、まさかのまみちゃんが…。 小宮は、まみちゃんの好みには程遠い…なんて、勝手に決めつけちゃいけないなぁ。 ただ、かっこいいってところには、同意しかねるけど。 「一華先輩…。」 なぜか涙目で見つめられる。
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