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「大丈夫だってば!!」
「一華、そんな乱暴な子に育てた覚えはありません!」
「お兄ちゃんに育てられた覚えもありません!!」
イーっと、子どもみたいに抗議して、翔太の隣に座る。
翔太は楽しそうに笑っていて、その姿に少しホッとする。
「そうそう、レンから預かってきたんだ。」
お兄ちゃんが、ファイルを取り出して、私に差し出している。
受け取って、書類を見る。
「…夏祭り?」
商店街の夏祭りについての説明が書いてある。
「ああ。
今年は少し規模を拡大して、夏祭りを開催しようって話になってるんだ。
夏祭りの会合には、一華も参加して欲しいんだけど。」
「うん、わかった。」
「翔太くんも、会合には参加するよね?」
お兄ちゃんが、翔太に視線を向ける。
「はい、もちろん。」
「で、一華にもアイディアを出してもらいたいことと、詳しいことが決まったら、運営の手伝いもしてもらいたいと思ってる。」
「わかりました。」
「商店街のお店の人たちに、説明するとかそういう仕事がメインになると思うんだけど、大丈夫か?」
「やってみるよ。」
「了解。
ってことを、伝えたかっただけだから、明日は来なくて大丈夫だよ。」
「わかった。
わざわざ来てもらって、ありがとう。」
「お、さっきとは態度が…。」
「今は、お仕事だからね?」
「仕事だと、一華が優しい…。」
目元を押さえて、泣いてるフリなんてしてる。
「もー!!
お兄ちゃんが、からかうからでしょ?」
「かわいい妹をからかうのは、兄の特権だからな。」
「特権じゃないってば。」
「次は日本酒もらおうかな。
翔太くんも、どう?」
「はい。
なににしますか?」
「そうだなぁ。」
日本酒選びが始まってしまった。
私は書類をファイルに戻して、バッグにしまう。
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