第11章

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「おいしいものを、食べ歩き?」 「酒に関係ない店から不満でるかも。」 「飲食コーナー設置?」 「場所でモメる。 そこに近いほうがズルいとか、そういう。」 「どっちにしても、子どもが喜ぶって感じじゃないよね。」 むずかしいなぁ。 みんなが平等にって大切なことだけど、すごく大変なことでもある。 「あ、スタンプラリーとかは?」 「スタンプラリー?」 「うん。 お店で買い物すると、スタンプがもらえて、いくつ集めたら特典をつけるみたいな。」 「スタンプラリーか。」 「子どもおつかいスタンプとか、なんかそういうのも作るとか。」 「うんうん。」 「どこでもいいってなると、いつもの店に偏っちゃうから、食べ物屋さんはスタンプいくつ、日用品とかそういう店はスタンプいくつってしてみたら、いつもは行かないお店に行くきっかけになるかもしれないよね?」 「おもしろいかもな。」 「ちょっとアイディアをまとめてみるよ。」 「手伝えることあったら、いつでも言って?」 「ありがとう。」 残りのサンドイッチをほお張る。 食べるとやる気もアップするかも。 「ハナさんは、カズマが終わるまでどうすんの?」 「またウロウロ見て回ろうかな。」 「そっか。楽しんでね。」 「ありがとう。 翔太は仕事がんばって。」 「おう。 じゃあ、またあとで。」 「うん。」 翔太が先に店を出た。 私はアイスカフェオレを飲みながら、スタンプラリーのこと考える。 たとえば、こうやってアイディアを出したとしても、予算の問題はもちろんだし、他にも考慮しなきゃいけないことがあるんだろうな。 どんなことがあるんだろう。 いろいろなことを知ってきたつもりでいても、自分が関わったことのないことには、無知なんだよなぁ。 専門の人に任せることも、もちろん必要なことだけど、知りたいとか知ろうと思う気持ちはずっと持っていたいって思う。
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