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そんな会話が結構前に会ったのは何となく覚えてる。
いつもならあっさり忘れちゃいそうな話なのに、何となくでも覚えているのは、この話をした同僚が、半月くらい後から会社に来なくなったから。
顔を見なくなったから、インフルエンザにでもかかったのかと思ってたけど、彼女はいつの間にか会社を辞めていた。
噂じゃ、田舎の実家にも帰ってないみたい。
ま、もう充分大人なんだから、会社を辞めようとどこに行こうと、それは彼女の好きな生き方。こっちに口を挟む謂れはない。
ちなみに、今になっていなくなった同僚のことを思い出したのは、美容院でたまたま目にした週刊誌の記事のせい。
カルト教団がどうのこうのっていう記事だったんだけど、そこの教団のシンボルマークが、彼女があの日持ってた鞄のジッパーチャームと凄くよく似てたせい。
特徴的なデザインで、だからあの日、鞄について聞いたんだった。
週刊誌の内容じゃ、この教団は、信者を生け贄に使うなんていう話まで出てるけど…。
いなくなった同僚…まさかね。
内緒のお店…完
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