独奏の、セラフィマ

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全身は黒いカラーで塗られながらも、まるで生きているかのように筋骨隆々とした体躯。 真っ赤に染まった丸目のデュアルアイに、きつく結んだような唇じみたライン。 プレートが主を認識するかのようにその背後に背負われれば、それはまるで六枚の翼を携えた漆黒の天使のようであった。 ムドの機械的なフォルムでもなく、エネミーに反した黒色という姿に、ベースの一同は混乱するしかない。 『あれは、味方なのか……?』 『でも、ムドよりかはエネミーっぽいですねぇ……』 戸惑う連中の中で、マキが目の前のモニターを見て、その正体に驚きの声を上げた。 『……マップに反応あります!これ、ムドですよ!しかも識別コードがある!』 『機体名は?』 『「セラフィマ」と、だけ……』 『……ふむ』 それを聞いたミュウは、これが『鍵』なのだろうと察した。パイロットが誰かはわからないが、そいつに任せるが吉だろう、と。
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