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それに人々にとってもよいこと尽くめである。イジメを防止することもできるし、ストレスの発散にも繋がり社会をより潤滑に進めることができるようになるから。
日々のストレスを発散した信夫と楓は仲良く腕を組んで自宅に戻る。
「すっかり、汚れてしまったな。血液って落とすのが大変なんだろう」
「別にいいわよ。あんな汚らわしい連中の血が付いた服なんて着る気になれないわ。明日のゴミに出すわ。それより、汚れちゃったし一緒にお風呂入りにいかない?」
楓が信夫の腕に抱きつき冗談っぽく言う。信夫は、
「そうもいいかもな。丁度、温泉のクーポン券もあるし」
「本当。だっから、これから行きましょう」
「そうだな」
「あーあ。それにしても、次は三ヶ月後か」
楓は少しつまらなそうに言う。幾つかのグループに分かれて活動しているとはいえ、毎日のようにイジメが出来るわけではない。毎日、イジメてばかりでは習慣となりよくない結果を招く。ほどよく、人々のストレス状況を見て車は回るようにしていた。
次の三ヶ月後までしばらく、我慢しなくては。
「それにしても、イジメ階級なんて面白いのを人は考えたものだな」
「そうね。どういう経緯でイジメ階級が作られたか知らないけど、私は素晴らしいと思うわ。ずっと、昔なら、たかが一人の王様や政治家の面子の為だけに、大勢の無関係な人達が戦争にかり出されて死んでいった。それに比べれば、少数の犠牲だけで平和が維持できる。本当に素晴らしい階級よね」
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