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しかしその残り4.3キロは
その集団の心の奥に隠していた
間に合わないかもしれない・・
を
間に合わないに変えてしまった
ここまで50キロ近く山野と戦ってきた
体力も気力も残り少なかっただろう
あーと言うため息の様な
声になるかならないかの言葉が感じれた
その中にはもうダメだなと言う物が込められて
いてそれを感じる事が出来た
誰かが言葉にした
「もう間に合わないでしょうね」
そこまで誰も口にしなかった言葉だった
口にしてはいけない暗黙のルールで
封印されていた言葉だったがその4.3キロが
その封印を解いてしまったのだ
その集団は諦めモードになったし
その場に皆立ち止まってしまった・・
水を一口飲み
小さく『4.3キロ・・ほど』とつぶやき
僕はそこから走り出した
考えるより身体が走り出したような感じだった
身体の方が僕は諦めない奴だからと信じて
先に動き出してくれたようだった
だから走り出してからいろいろと考え始めた
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