はじまり

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その日、バートは魔術の塔2Fにある教官室の窓から、下校する生徒たちを眺めていた。 「今年の新入生はどうじゃな?バート君」 突然に背後から声をかけられ、振り向いた視線の先には、背の小さい禿げ上がった頭の老人がニコやかに立っていた。 「校長、そうですねぇ。まだまだわかりませんが、昨年卒業したロジャー級の天才は居ないようです。我が国のブリーズが、精神力については頭一つぬけているくらいですかね」 「そうかそうか。まぁ、今期生もよろしく頼みますよ」 バートの評価を聞いて特に関心を示すでもなく、ニコやかにねぎらいの言葉をかけるとクルッと180°方向転換して、教官室を出て行った。 校長の背中を見送り、また窓の外に視線を戻すと、生徒たちは全員寮へ帰った後で、寮の向こうには夕日が沈みかけている。
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