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その日の帰り道、と言っても魔術士学校は全寮制となっていて、魔術の塔と寮は同じ敷地内にあるため、徒歩で5分もかからない。
「おーいペイトンちょっと待てよー」
ブリーズが、肩を落としながら歩くペイトンを呼び止めて小走りに駆け寄って行くが、聞こえているのかいないのか、いっこうに立ち止まる気配がない。
「ちょっと待ってって」
やっと追いついてペイトンの肩を掴んだ瞬間、グイッと肩を振り払って、ブリーズを無視して歩みを止めない。
振り払われた手をチラッと見て、また小走りにペイトンを追いかけると、今度はペイトンを追い越して目の前に立ちふさがる。
コレにはペイトンも立ち止まらざるを得なかった。
一瞬2人の目と目が合ったが、ペイトンが視線をズラす。
「どいてよ…」
ペイトンの小さな抗議には耳を貸さずに、ブリーズは笑いかけてきた。
「今日、先生が言ったコトはさ、気にすんなって。必ず出来るようになるからさ。な?」
ペイトンの肩にポンと手を置いて慰めたつもりだった。
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