Perfect and Failure

2/17
1人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ
気が付いたら彼は一人そこにいた。あたりにまみれるものは機械の無機質な銀色の艶や意図せず暗闇を微かに和らげる明るく光るランプの色、機械独特の稼動音。彼に映る世界は時計仕掛けのリズムで全てが動く銀色の科学世界。 「げへ…ここは…メガバッテンのアジト?」 彼、ペケダーはこの場所が何処なのか瞬時に理解することができた。その場所は世界征服を企てるバツガルフを総統としたメガバッテン軍団の全てにおいての活動拠点であり、またその軍団の幹部であった彼の帰るべき場所、ここが彼の居場所であることに相違なかった。 しかしペケダーは自分の居場所であったはずの、この機械仕掛けの森に迷い込んでしまったかのように何度も何度もあたりを見渡していた。近い将来この世界の脅威となるはずだった自分達の所属する軍団、ここがその根城であるアジトだという事に間違いはない。しかしそうであるにもかかわらずペケダーは、何故ここにいるのかがどうしても理解できずにいたのだ。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!