第ニ章 後編  機械人形は懐かしい未来の夢を見るか

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当初とは目的が変わってしまったものの、依頼人の要望に応えたことに変わりはなく、もちろん依頼は達成となった。 依頼の達成報告をしたソウタたちは、実はこの依頼は近いうちに中堅冒険者向けの依頼へと格上げする予定だったことを、シフォンから聞かされた。 当初は駆け出し冒険者向けの依頼だったが、やはり駆け出し冒険者には達成が難しいというのがその理由だそうだ。 初依頼でそんな依頼達成してみせたソウタたちは、もちろん風凪亭で噂の新顔として冒険者たちから注目を浴びることとなった。冒険者としては鼻が高いことではあるが、今まで正体や功績をあえて隠してきたソウタたちにとっては、素直に喜んでいいのか微妙な話だった。とはいえ、首都での冒険者生活は、間違いなく好調な滑り出しを切れたと言っていい。これなら、次の依頼に困ることはまずないであろう。 ここで言葉を話す機械兵士を持ち帰ったことが、後のソウタたちの運命を大きく左右することになるのだが、それはもう少し先の話である。
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