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夜も深まり、誰もが寝静まった夜の首都を、屋根の上から見下ろす一つの影があった。
影の正体は少女だ。漆黒のゴスロリドレスに縦ロールといった、いかにもお嬢様然とした出で立ちのその少女は、風凪亭の方を見下ろしながら口を開いた。
「……ついに見つけましたわよ。憎きレーギア親子。ここで会ったが百年目。この魔令嬢ノクティリア・ヴァーミリオンが、今度こそ貴方たちをギャフンと言わせて……差し上げますわ!」
ギャフンと言わせて、のところで溜めを作り、言葉の最後で形の良い胸を揺らしながらポーズを決めて見せる。
「今はせいぜい、束の間の安らぎを享受しておきなさい。貴方たちはいずれ、這いつくばってこの私に泣いて許しを乞う事になるのですから! おーほっほっほっほ!」
月明かりが照らす首都の夜空に、ゴスロリ少女の高飛車な笑い声がこだました。
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