第1章

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第2波があれば、今度こそ自分は必ず泥に埋もれてしまうだろう。 離れた斜面で別の土砂が崩れる低い音が聞こえる。 死と隣り合わせの不安を目を閉じて堪えていると、遠くの方から声が聞こえてきた。 1人か2人と思ったが、徐々に声は大人数になっていった。 喬久が目を開けた時には、目の前に20人以上の大人たちが救助に駆けつけていた。 一緒に流れた木材が邪魔になって、作業は難航した。 救助の間、皆口々に「がんばれ」とか「もう少しだからな」と励ましてくれた。
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