第1章

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音のない車内で、バックミラーの中の喬久と目が合った。 そういえばカイトのことは喬久やエステラから聞いていたけれど、喬久自身のことはなにも知らない。 ふと口に出た。 「林さんはどうしてサラベナに」 「わたしの話など、どうでもいいことです」 軽い好奇心から聞いただけなのだが、予想以上に強い拒絶にあった。 いつもならここで黙ってしまう栞だが、今夜はもう少し踏み込んでみようと思った。
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