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「カイトに初めて会ったのは9歳の時です。離婚したばかりの母とわたしは、大叔母であるセツコ王太后を頼ってサラベナ王国へ行くことになりました」
正面を向いたまま喬久は語り出した。
何もわからないまま、生まれた土地を離されサラベナに来た喬久だった。
しかし当時の彼にとっては新しい土地、しかも海外に行くという好奇心の方が優っていて、不安を感じることはなかった。
王子の第一印象は、よく覚えていない。
それくらい、普通の少年だった。
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