66人が本棚に入れています
本棚に追加
「家から一歩出れば、その裏はすぐジャングルのような土地ですから、いつも森の中に入って木に登ったり、蔓に掴まって崖を登ったりして遊んでいました。小学生の時と違うのは、やはり体が強く大きくなってきているので、多少危険な場所にでも平気で行くようになっていたことでしょう」
その時は、昆虫を追いかけて、今まで入ったことのない森の奥まで入っていた。
エステラはその日ピアノの稽古で、不在だった。
雨季ということもあり、地盤が緩んでいた。
だが長く住んでいると、土砂崩れが起こりそうなところには近づかないし、だいたい起こりそうなところは子供ながら経験で知っていた。
だが、その時は違った。
最初のコメントを投稿しよう!