第1章

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「家から一歩出れば、その裏はすぐジャングルのような土地ですから、いつも森の中に入って木に登ったり、蔓に掴まって崖を登ったりして遊んでいました。小学生の時と違うのは、やはり体が強く大きくなってきているので、多少危険な場所にでも平気で行くようになっていたことでしょう」 その時は、昆虫を追いかけて、今まで入ったことのない森の奥まで入っていた。 エステラはその日ピアノの稽古で、不在だった。 雨季ということもあり、地盤が緩んでいた。 だが長く住んでいると、土砂崩れが起こりそうなところには近づかないし、だいたい起こりそうなところは子供ながら経験で知っていた。 だが、その時は違った。
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